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オックス・テール・シチュー


オキナワスズメウリ

牛テール 1本(約1.2Kg) (間接ごとに切り分ける)
小麦粉(薄力粉)  適量(20g〜30g)
ジャガイモ 中3個 (皮むきして4つ切りにする)
人参 1本 (乱切り)
玉葱 中2個 (櫛切り) 中1個(みじん切り)
セロリ 1本 (4等分する) (枝葉はみじん切り)
トマト  1個 (サイコロに切る)
ニンニク 1かけ(うすぎり)
赤ワイン 1本(料理用)
市販固形シチュールー 4人分
トマトピューレ 適量
ローリエの葉 2枚
塩、コショウ 少々
サラダ油   少々
生クリーム  適量

黒澤和子(「黒澤明の食卓」・『映画人クロサワの食』より抜粋)

材料(4人分)

ウリ科オキナワスズメウリ属 つる性1年草
原産地 南西諸島および
        アジア・アフリカの熱帯・亜熱帯に分布
花・実の期間 原産地では通年
      温帯では7月〜10月
果実は直径2cmくらいで、白い縦のストライプがくっきりとして可愛い感じです。果実は緑から真っ赤に熟していき、葉や蔓が枯れるころ、実も落ちてしまいます。沖縄など原産地では、落ちた実の中にある種から、新しい芽が出て成長していきます。そのため、株によって開花、結実の時期が違ってきて、一年中観賞できるそうです。

作り方

黒澤和子 映画衣装デザイナー  1954年生れ 東京都出身
       黒澤明監督の長女 黒澤明監督関係の著書数点あり


レシピ

 昭和三十年代、十に届かない年齢の私の目に耳に肌に残る感覚が今も思い出される。
 時間がゆっくりと流れていた。人の動きも緩慢であったように思われるし、穏やかな日々の中で、些細な日常を一つ一つ丁寧に生きていた。 強い南風(はえ)の通り抜ける音に、「春一番ね」と家事の手を止めて母が呟(つぶや)く。 日の高いうちにと手を引かれて、草餅のヨモギを摘みに行く。帰り道に八百屋のおかみさんと、旬の野菜の品定めをする。
 雷鳴の響きに「これで梅雨があけるよ」と満艦飾の洗濯物を見上げていた祖母。
 母の膝枕、うちわの風にウトウトと昼寝をし、天花粉まみれになって、粉屋の娘だと笑われながら蚊帳の中に入り、兄のとってきたセミにべそをかいた私。
 縁側で縫いものをする祖母が、目を雲に移して、「和子、あれが鰯(いわし)雲っていうんだよ」と教えてくれる。
 廊下を歩いてきた父が、「今年の柿は豊作だね。鳥達が楽しみにしているから、取っちゃいけないよ」といいながら、どかりと座り込み、橙色の一粒一粒を数えていた。
 次々と降り注ぐ落葉をひと風ごとに追う叔母。 用事から帰ってきたお手伝いさんは、「すぐそこの学校の角で落葉焚きをしていた」と、金時芋を手に私を連れて走り出す。
 明治生まれの父と本多猪四郎監督、この二人がこよなく愛し、長い時間をともの過ごした御殿場の別荘には、いつもこうした温かくなつかしい空気が流れていた。
 ・・・・・・・・  ( 中略 )  ・・・・・・・・・
☆オックステール・シチュー
 御殿場の別荘に遊びに来た方は、必ず食べさせられたであろう料理。 ぶつ切りのオックステールと、丸ごとの人参、玉葱、じゃが芋を塩胡椒だけでコトコト煮る、ただそれだけ。
 ときどきでニンニクや香辛料を加えるなどして、工夫を楽しんでいたようです。
 お肉類や脂っぽいものが苦手な人は、閉口したようでお気の毒でありました。 この料理が残ると次の日は、必ずカレーに変身させて、父は大満足でした。
 誰かお客様が来ると連絡が入れば、お客好き、人に美味しいものを食べさせるの大好きの父は、小泉(堯史)さんに買い物に走ってもらい、すぐにオックステールを煮込み始め、大きな手で百阯ャの小さなじゃが芋コロッケを作ってと、待ち遠しそうにウロウロしていたそうです。

京都府立植物園にて

@牛テールを湯通しする。5〜10分ほど。このとき野菜くずを一緒
 に入れると更に良い。これをザルにとり、手早くアクや余分な
 脂肪を洗いながし、水気を切る。
Aこの牛テールに塩・コショウをし、小麦粉をまぶす。次に熱したフライ
 パンに、サラダ油をひき、牛テールを表面に焦げ目がつく程度に焼く。
B鍋に牛テールを入れる。
C空いたフライパンに油を引き、ニンニクを炒め、人参、櫛切りの玉葱、
 セロリ4等分したもの、トマトを入れて、軽くこげ色がつくまで炒める。
 これをBの鍋に入れる。
Dこのフライパンを使って、ミジン切りの玉葱とセロリを色が着くまで
 よく炒め同じくBの鍋に入れる。
Eこの鍋に水を約1000ccとワイン半本分(約400cc)を入れ、ローリエの
 葉を入れて強火で煮る。
 煮立ったら、弱火にしアクをていねいに取り除く。2〜3時間煮込み
 ながらアクをとり、水分が少なくなってきたらワインや水を足す。
Fジャガイモを入れ、シチュールーを入れ、弱火で30分ほど煮る。
 最後にトマトピューレと塩で味を調え、約5分煮ると出来上がり。
G各自の皿に盛り分けたら、生クリームをかけて召し上がれ


9月

8月

オキナワスズメウリ
京都植物園にて

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*あまったシチューは、黒澤明監督流にカレールーを入れて、カレーにすると
 抜群に旨いカレーになります。

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