夏の花1

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アカバナハカマノキ(オオバナソシンカ)

マメ科バウヒニア属 常緑中高木
原産地 中国南部
花期間 12月〜3月
別名 ホンコン・オーキッドツリー
 温室の中で冬に一際目立つ大輪の花を咲かせます。香港の花となっていることから、別名がつきました。バウヒニア属は150もの種類があり、日本の植物園に植えてあって見分けがつきにくいのは、インド原産のムラサキソシンカ、中国南部原産のフイリソシンカがあります。いずれも花がやや小振りで色が薄い。

今回はメニューはありません。ずわい蟹は、現地の店や食堂やホテル・民宿などで、茹でたて、焼きたてを、手づかみで心ゆくまで賞味するのが、なんといっても一番美味しい食べ方です。
 嗚呼、現地の宿で温泉に入って、蟹づくしのフルコースで腹いっぱい食べたい〜!
 (しかし、私は好きなくせに、エビ・カニ アレルギーで、食べられないのです…)


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*ずわい蟹の漁期は年によって変ります。現在は漁期は少し短縮されています。

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この花咲くや館にて(2006年1月12日)

日本海沿岸でとれる「ずわい蟹」の解禁は十一月十日からである。しかも、雌の漁期は一月二十日で終わり、雄は三月三十一日までとなっているから、食うほうは、あわてる。しかもこの蟹の本場は、石川県から鳥取県の間である。
 雌の「ずわい」は石川県では「香箱蟹」、福井県では「せいこ蟹」、もっと西へゆくと「こっぺ蟹」となるから、ややこしい。雄も鳥取県では「松葉蟹」、福井県では「越前蟹」、石川県では「ずわい」と呼ぶ。なぜ、これほど、ややこしく名称が変るのか、それぞれ、とれる海によって、言葉に表現できない味の違いがあるという。それも理屈だが、僕は、こう考える。
 「ずわい」は、陸揚げされると仲買人の手で競りおとされ、その日のうちに大釜で塩茹でにされる。その塩加減、茹で加減に違いが生れてくるのではないだろうか。理屈はどうでもよろしい。目の前に出された小皿に「香箱蟹」がのっている。前章で紹介した金沢市の香林坊一丁目の天麩羅屋「いけ天」のカウンターである。なぜ、天麩羅屋で、蟹を食うのか。僕にもよく分からない。
 いけ天の主人が、すぐに、僕の不審に答えてくれた。この人、天麩羅の油もよく切るが、頭の冴えも鋭い。
 「小さな店ですから、どうしてもご贔屓にしてくださるお客さんが決まってしまいます。そうすると、のべつまくなし天麩羅、天麩羅では申しわけないでしょ……酒の肴、ご飯のお菜に、蟹や鰯のつみれなんかを、少々、支度しておくんです」
 「なるほど……天麩羅のあとに、すっきり鰯のつみれでご飯なんて悪くないな……」と、僕は蟹の爪を手にしながら、ごくりと喉を鳴らす。卑しい男、である。ぐいと酒をふくんで口中を洗い、まず、香箱蟹の卵に箸をつける。
 「うむ……これは、珍味、口中に、一瞬、潮の香りと、さざ波がくだける」
 うまいとか、まずいとかいうものではない。風味が、身上といえる。みそは、さすがに、こってりと舌にねばり、良質の雲丹を食う感じで、僕を喜ばせる。香箱蟹は、甲羅も小さく、足も、爪も華奢にできている。せっかち、ぶきっちょの人の食いものではない。ゆっくりと、愛撫するように、その身をせせる。身についた塩味だけで十分、生姜も酢も生葱も要らない。うすい塩の向うに、きめこまかな蟹肉の味覚が、まるで半月のように浮びあがってくる。
 日本語には「味を聞く」という不可思議な表現もある。香箱蟹の爪肉の味に、ぴったりと重なる言葉である。聞こうと思わなければ聞えてこないほど玄妙な響きである。しかし、それが聞えたときの歓喜は、全身を駆けめぐる。 香箱蟹の「間奏曲」は終わった。


松山善三(光文社「食って食って食いまくれ」より抜粋)

松山善三 映画監督「名もなく貧しく美しく」など多数の作品
       脚本家「人間の条件」など多数
       小説家「氷雪の門」など多数
       1925年神戸生れ、横浜育ち 女優高峰秀子と結婚

味の華

香 箱 蟹(こうばこがに)