江戸前の雑煮

夏の花1

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トックリキワタ(徳利木綿)


パンヤ科(キワタ科)セイバ属(コリシア属)
原産地 ブラジル南部〜アルゼンチン
花期間 10月〜1月
別名  ヨッパライノキ
落葉高木で沖縄など暖地では街路や公園に植樹されています。枝先に一杯にピンクの大きい花が咲き乱れているのは大変美しい。花は次々に開花し、古い花は中心部の白色が黄色になって落花します。個体によって花の色は濃いピンクから斑入りや白花まであるようです。花が咲き終わって実る長円形の果実の中には白い綿が詰まっていて、現地では枕やクッションに詰めたりしたそうです。トックリの由来は木の幹の下方がトックリのように膨らんでいるからです。また幹には大きなトゲがびっしり生えています。

レシピ

材料(4人分)

鶏モモ肉            一口大の切り身4ケ 約100g
かまぼこ            なると巻の薄切り8枚
餅                角餅4ケ 焼餅にする
小松菜             半束(洗って5cmに切る)
だし汁   カツオ節(昆布を加えてもよい)でつくる 約800cc
       (つくる暇がなければ市販の顆粒の出しの素でよい)
あれば大根・人参の短冊の薄切り少々
醤油(淡口醤油でもよい)      小さじ2杯
酒、塩                  少々

 子供の時の私は、正月の食物が大きなタノシミだったが、雑煮だけは、例外といえた。
 一体に、もち(餅)というものを、あまり好まない子供であったらしい。その上、東京風の雑煮は、里芋、大根、青菜の湯がいたもの、もちもまた湯煮にしたものを用いるのが、例であって、坊さんでも食べそうな、淡白な味であって、子供の喜ぶ道理がなかった。
 ところが、私の母親は、少しゴヘイをかついだので、雑煮のもちは、元旦より二日、二日より三日と、数をふやして食べることを、子供に強制するのである。
 雑煮ほど、土地によって、変化の多いものはなく、京都のあたりは、白みそを加え、もちも丸もちである。私は、戦争中、四国に疎開したが、あの付近も丸もちを用いていた。
 それから、もちとともに加える材料も、東京が一番貧弱であって、南や北にへだたるほど、豊富になってくる。九州あたりでは、エビや塩ブリや、カマボコ類や、その他、いろいろのものを入れる。東北や北海道でも、サケのスジコとか、ホッキ貝とか、味のよいものを添えるようである。
 とにかく、子供の時に、マズい雑煮を、ムリに食わされた腹イセに、私は、独立するようになってから、細君に、慣例を破って、ウマい雑煮をつくってもらうことにした。トリと卵の雑煮だとか、スープ仕立ての雑煮にハムを入れるとか、いろいろやってみた。
 ところが、そんな雑煮も、たびたび食べてるうちに、あきてくる。味にあきるばかりでなく、精神的に、何やら、もの足りなくなってくる。正月には、正月らしい食物の方がいい、という気持ちになってくる。そんな気持ちになるのは、中年期に入った証拠である。
 そのうちに、私も、老年期に入った。新年がきて、数え年が一つ加わると思うと、不愉快になるのは、老人になった証拠にちがいない。すると、俄然、東京風の雑煮が、ウマくなってきたのである。野菜と煮たもちだけの淡白な味が、何ともいえず、口に合うようになってきたのである。
 もし、これが、私の生存と伝統とのとけ合いというようなことだとしたら、そう悪い気持ちがしないのである。


獅子文六 (中公文庫「食味歳時記」より)

獅子文六(本名;岩田豊雄)
      小説家、劇作家、演出家 劇団文学座創設に加わり生涯面倒をみる
      1893年7月1日〜1969年12月13日 横浜市出身
      小説「てんやわんや」「大番」などをはじめ著作多数

大阪鶴見この花咲くや館
2007年12月21日

@鍋にだし汁を入れ火にかけ、鶏肉と大根・人参の短冊薄切りを入れる。
 醤油を入れ、酒・塩で味を調える。
 煮立ったらアクをとり、材料が煮あがったら小松菜を入れ火を止める。
Aお碗に焼餅1ケを入れ、かまぼこ2枚を入れる。
Bお碗に@の汁を具とともによそって完成。

作り方

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作り方

@里芋は皮をむき塩もみして洗い、固めに下茹でする。
A人参と牛蒡は皮をとり、長さ6cmくらいの小さめの棒切りにし、
 固めに下茹でする。
Bだし汁を入れた鍋を火にかけ、下ごしらえした里芋と人参、牛蒡を
 入れて、野菜が柔らかくなるまで煮る。
C餅を鍋に入れ、柔らかくなりかけたら白味噌を溶き入れる。
 塩で味の調整をする。
Dお碗に餅と野菜をよそい、三つ葉をちらし、汁をついで完成。

*各家庭の味がお雑煮にはあります。具は工夫次第で豪華になりますね。

レシピ

里芋(小)                     8ケ
人参                       1/4本
牛蒡                       10cm
三つ葉                      適量
白味噌                   大さじ4杯
塩                         少々
だし汁                 4カップ800cc
丸餅                         4ケ

材料(4人分)

京風の雑煮

味の華

雑  煮      獅子文六