ヘテロフィラ

アスパラガスの歴史は古い。古代ギリシャ時代から栄養豊富な野菜として珍重されていたというから驚く。根っこまで煎じて飲んでいたそうだ。いかに大切に食されていたかがわかる。春になって、アスパラガスの茎が土を盛り上げ伸びてくるのを、みんな楽しみに待っていたのである。
 その楽しみは、脈々と現代に引き継がれている。アスパラガスは春を告げる野菜のひとつ。春の訪れを味わう野菜だ。
 アスパラガスといって忘れてならないのが、ホワイトアスパラガス。日本ではホワイト=缶詰のイメージが強いけれども、イタリアではホワイトもグリーンと同じように生で売られる。これをゆでて、グリーンアスパラガスと同じように食べる。有名なのはヴェネト州のバッサーノ・デル・グラッパという街のもの。この地域で生産されたものにはD.O.C.の冠がかぶせられる。バッサーノ産はとりわけやわらかく優美な味がするのだとか。残念ながら、バッサーノのホワイトアスパラガスは、生産量もとても少なくほとんどを地元周辺で消費してしまうらしい。ミラノや、ましてフィレンツェでお目にかかることは、不可能だ。
 とはいえ、北イタリアの広い地域でホワイトアスパラガスは生産されている。出回る時期がグリーンアスパラガスよりもずっと短いため、ホワイトアスパラガスはさらに高級感を増す。実際には、値段に大差はないのだけれど、より旬のものというありがたさが増すのだ。

 さてさて、グラッツィエッラのアスパラガスのリゾットができあがった。じつは私はインスタントの「アスパラガスのリゾット」愛用者であった。いつでも棚の中には常備してあり、料理するのが面倒くさいときには、手を伸ばすのが常だった。数あるインスタント食品の中でも、「このリゾットはいける」とほくそ笑んでいた。
 ところが、当然のことながら、生のアスパラガスを使ったリゾットは、私の知っていたリゾットの何倍も、いやいや何十倍もおいしい。まず香りが違う。甘さが違う。ほんのり緑のリゾットに、たっぷりとパルミジャーノをふりかけると、チーズの香りとアスパラガスの香りが相まって、いっそう食欲をそそる。今まで私を満足させていたリゾットたちには申し訳ないけれど、私の愛好心はガラガラと崩れた。
 おまけにレシピは簡単。インスタントですませていた自分に活を入れて、これからはきちんと一から作ろうと、心に誓ったのである。

春の花

ヘテロフィラ

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アスパラガスのリゾット(リーゾ・コン・イ・アスパラジ)

材料(2人分)

リゾット米              一合(120g)
アスパラガス               4本
タマネギ                  1ケ
固形スープ(チキンブイヨン)      1ケ
卵                    1〜2ケ
バター                   30g
オリーブオイル              適量
パルミジャーノ(パルメザンチーズ)  適量

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ボロニア

ミカン科ボロニア属 常緑低木
原産地 オーストラリア
花期間 日本では2月〜5月
別名  ピグミーランタン
 ボロニア属は原種が約100種類ほどあるそうです。現在流通しているものは園芸種で、日本ではピンクの壺状のヘテロフィラや四つの花弁が可憐なピンナタ(ピナータ)が人気です。花色や形が変った園芸種も時々見かけるようになりました。
 ボロニア・ピンナタとよく似ている花に、
サザンクロスがあり、属が違う別種なのですが、区別がつきにくく間違いやすい。

作り方

@タマネギはみじん切りにする。
  アスパラガスは、穂先の方から2cmくらいに斜めに切っていき、
  半分から下の部分はみじん切りにする
  固形スープをカップ2杯のお湯に溶かす(塩・コショウで味を調える)
  卵はスランブル・エッグにしておく
A厚手の鍋を火にかけ、バターを入れ、タマネギのみじん切りを入れる
  タマネギが透き通るまで炒める。(ニンニクを少しいれてもおいしい)
  (バター味が苦手な人はオリーブオイルで炒める)
B米を入れ、米がひたひたになるくらいスープを入れ、弱めの中火に
  かける。ひたひたの状態を保つように、途中でスープを注ぎ足す。
  煮立ってきたらアスパラガスのみじん切りを加える。
  焦げ付かないように時々ゆっくりかき混ぜる。
C米が煮えてきたら斜め切りのアスパラガスを加え、スクランブルエッグ
  を入れ、かるく混ぜて1,2分煮たら火をとめ、出来上がり。
  好みでオリーブオイルをかけ、パルミジャーノを振りかけて頂く。
  熱いうちに食べないと、美味しさが半減します。

*卵の代わりに豚肉やツナ缶を入れてもおいしい。
 また、スープに白ワインを加えると風味が良くなります。
 アクセントに香草のタイムをいれてもいいですね。
 固形スープはチキン、ビーフ、野菜などそれぞれ使ってみてください。

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ヘテロフィラ(白)

ボロニア・ヘテロフィラ
大阪長居植物園にて 2008年2月27日

杉本あり(東京書籍「フィレンツエ 四季を彩る食卓」・『四季を味わう暮らし』より抜粋)

杉本あり 暮らしのデザイナー フリーライター
      「イタリアひとり暮らしノート」
      「イタリアひとり歩きノート」
      「{ゆるライフ}のため息、30代・迷える大ヒツジの言い訳」
      などの著書あり

(文中のことば解説)
   グラッツイエッラ・・・筆者がイタリア・フィレンツェ留学中のホームステイ先の主婦
               人情豊かでタフな典型的イタリアのマンマ
   パルミジャーノ・・・イタリア本場の正統元祖パルメザンチーズ


ピロサ(八重咲)

ヘテロフィラ

ピンナタ
(ピナータ)

メガスティグマ・
キャンデュレリ

メガスティグマ・
ルーティア

ヘテロフィラ

味の華

アスパラガスのリゾット