店内は二十人も客が入れば満席で、中年の太った夫婦がバイト嬢を一人使ってやっていた。 テーブルクロスの代わりに紙が敷いてあって食器が並べてある。 本物のクロスがかけてあって蝶ネクタイのボーイがいれば、この店より高級な店ということで値段もそのぶん高くなる。
 パリでは店の大小にかかわらず食事代金とは別に日本では馴染みのない食器代というのを取られるし、税金とサービス料のほかに、給仕人には心づけも置いてくるのがしきたりになっていて、馴れるまではやたらに金をとられるように思うが、日本の丼勘定的なお会計というものもかなりいい加減なものだからどちらが損か得かは、煎じつめれば客の満足度とその値段の釣合いということになる。
 壁に<本日のお奨め料理>というの書きだしてある。 この手のレストランのレパートリーは大体がみな同じだった。 マヨネーズのかかったゆで卵、オムレツ類、ソーセージ類、肉や魚の料理などで、同じクラスのわが国の大衆食堂に較べてみても、特に上等な味と思えるような料理は何もない。
 料理の程度はそんなものだが、パンとワインとチーズの味だけはバツグンであり、この三つの中にパリの味覚の全てが集約されている。
 テーブルに置いてあるガラスびんの赤ワインはここのマスターが酒の味のよくわかる人だったから、無名品で、ミネラルウォーターと同じくらいの値段だが結構いける味だった。
 ワインは美味い酒という意味では世界中で一番のものだと、かねがね私は思っているが、たとえばこのような街のレストランの安物のテーブルワインでも、またそれより少し高級なボトルワインでも、値段相応に結構美味い。こういうフランスワインの奥の深さには、ただもう、脱帽するよりほかはない。
 チーズも種類が少ないがいい味のものが置いてあったし、パンも食べごろで香ばしかった。
 フランス料理というと手のこんだソースのかかったものなどをすぐ考えがちだが、本当は日常のワイン、チーズ、パンの味が基本なので、これを省略しては季節の魚介料理も野鳥料理もあるわけがない。
 銘柄もののワインに舌づつみを打つのも、この基本の味を理解してこそなのだ。日本の料理屋でもごはん、お新香、お酒の味がペケならば、どんな手のこんだ料理を出す店でもペケだと言われてしまうのと一緒だ。
 


春の花

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グラジオラス・カルネウス

アヤメ科グラジオラス属 球根植物
原産地 南アフリカ・ケープ地方
花期間 4月〜5月 秋植え・春咲き系
別名  スプリング・グラジオラス

 グラジオラスには秋植え春咲き系のものと、春植え夏咲き系のものがあります。
 私たちにお馴染みのものは大輪で色も華やかな夏咲き系です。
 春咲き系は白や薄黄などの地味なものが多いのですが、園芸種では薄紫のものやカルネウスのようなピンク色も作られ、種苗会社が販売しています。

作り方

*肉と粒マスタードは抜群の相性の良さです。豚ロース肉で作っても美味しいです。

牛ロース肉             100g×4枚
塩・コショウ            適量
粒マスタード           大さじ2
小麦粉(薄力粉)         適量
溶き卵              1ケ
にんにく                  1かけ
タマネギ             1/2ケ
パセリ              一枝
パン粉             1/2カップ
粉チーズ             大さじ2
サラダ油             適量
バター              大さじ1
(付け合せ)
  ジャガイモ          中4ケ
  アスパラガス         4本

風間 完(角川書店「旅のスケッチ帖」より抜粋)
      なお、本文は重金敦之編「美味探求の本・世界編」より写しました。

風間 完 画家、挿絵画家 2002年12月第50回菊池寛賞受賞
      著名作家の小説など多数の著書への挿絵で有名
      1919年1月19日〜2003年12月27日 東京都出身

アヤメ科グラジオラス属 球根植物  原産地 南アフリカ・ケープ地方
花期間 4月〜5月 秋植え・春咲き系  夜になると芳香します

京都府立植物園にて  2008年3月9日

@付け合せのジャガイモは皮を剥き各4等分に切り、茹でて柔らかく
 なりかけたら、2cmに斜め切したアスパラガスを加えて5分ほど煮る。
 煮えたらザルにとって水分をきり、軽く塩コショウしておく。
Aにんにく、タマネギ、パセリはみじん切りにする。
Bフライパンにサラダ油を大さじ1入れ熱して、みじん切りのにんにくと
 タマネギを焦がさないように炒める。しんなりしてタマネギに透明感が
 出てきたらパセリを加え、サッと混ぜ合わせて、火からおろし、冷まし
 て、パン粉、粉チーズと混ぜ合わせる。
C牛ロース肉は表面を軽くたたいて筋切りをし塩・コショウする。片面に
 粒マスタードをへらで全体に塗る。さらに小麦粉をまぶし溶き卵をつけ
 Bでつくったものを塗る。
Dフライパンにサラダ油を熱して、ロース肉のマスタードを塗った方から
 焼く。両面が焼けたら、仕上げにバターを溶かしからめる。
E皿に焼きあがった牛ロースを盛り、付け合せの野菜をのせて頂く。


牛肉の粒マスタード焼き

レシピ

材料(4人分)



グラジオラス・トリスティス

味の華

パリの小さなレストラン(抄)